先入観、思い込みの中に全く根拠のないものが意外とある。
■ 根充の時期として急性炎症のある時は絶対禁忌と教えられた。所が違うのである。父の診療室に入った時、銀座勤務時の仲間の旦那が、横浜から練馬まで治療に来た時のことであった。口腔状態は悪くなく、むし歯の治療はすぐ終了したが、右下の7番が無髄歯で無根充状態であった。インレーを外し、一気にあけ根長測定までし、FCを入れ次回根充と云うことにして、次の土曜日にアポイントした。その後翌日にはその歯が急性発作を起こしてしまい、そのまま土曜日まで我慢していたのである。前後左右上下とブラブラになっており、腫れ上がっていたのである。ストッピングを取ると勢いよく排膿した。水銃で洗い流し、乾燥させると綺麗な根管が見える・・・「又来週の土曜日か、根充して抗生物質を出してしまえ・・・」とばっちり根充してしまったのである。意図を説明して処方箋を渡した。そしてまた土曜日がやって来た。
「あれからどうした?」「うん、あの後夕方にはすっかり治まった。結局薬は飲まなかった」と云うのである。診ると、すっかり炎症は治まり、打診痛も無かった。さてっと、根尖まであけ、根管内を密閉すれば良いと云う基本原則を満たすことが、逆に炎症が生ずる道を絶つことになるのではないかと云う直感的結論を得て、以後そうしたケースがあると、根充まで行うことにした。私の直感は正しかった。痛みは無くなり、他の炎症も無くなってしまうのである。以来現在に至るまで、たった一例3日間打診痛があった以外は「絶対禁忌を覆す結果」を得たのである。大学の保存科の奴にテーマとして学術的処理をするよう提案したこともある、日本歯科医師会のテーマ募集にも出したこともあるが相手にされないままである。偶然でもなければ、たまたま上手く行った訳でもない。私の症例数からして、間違いない事実である。急性炎症を増幅させると云う思い込みによる原則であって根拠は無いのである。通常の根充後に一時とは言え疼痛が発生するケースの方が多かったのである。大原則の中にも思い込みから作られたものもあると云うことである。因みに、彼の7番は30年近く経った今も健在である。
■ 最近、訴訟で物議を呼んだ「青色ダイオード」にしても、世界の研究人がダメとしていたものの中に当りがあったと言うことである。後発組だから、先人の手掛けたものから入ってみたと言うことである。歯科用薬剤でビタペックスと云うものがある。この薬剤の開発経緯を聞いたことがある。T歯科大学の保存科のO氏曰く。先発組がある以上同じことしてもダメ、あそこが手を付けてない部分をまずやろう・・・先発の某国立大学の材研が「この範囲には目指すものは無い」として当初から外した部分に「ピッタンコ」があったと言うことである。新発見なんてものはそんなものである。細胞は分裂する・・・と云う原則、しかし「癌細胞は集合する」と云うと気違い扱いされる。健全な生体の血管中には白血球は存在しない・・・生体内に異常が発生すると赤血球が白血球に転換して・・・と云う考え、私は支持する。合理的であるからである。登院して口腔外科の臨床実習の時、学生会の事業の実行委員会の歯科衛生士学校の委員が、患者となり私に配当された。口が開かなくなったと言うことであった。長々と問診が続き、さて原因は・・・と云う段になって、ひやかしに、インストラクターが「おいっ神谷、お前の診断は何か」と私に言ったのである。即座に「ヒステリー性顎関節症です」と応えたが、笑われて、その場は終わった。が後日、その診断が下って神経科に回った。実行委員会の付き合いで、彼女の言動、背景からの発想でした。滅多にないケースだからと云う思い込みは診断を遅らせる。「もしかしたら」と云う感に近いものでも、大事にすることが誤診を無くし、手遅れを無くす大事なものである。
■歯の喰いしばりについて
昭和53年8月27日号の読売新聞全国版にて「私と歯」王貞治氏の写真をメインに、「奥歯をかみしめてホームラン」で"野球選手は奥歯に負担がかかる。ボールを打つ時、奥歯をぎゅっとかみ締める・・・」とか云うコメントを付してあった。「歯を喰いしばっていたら、ホームランは打てない」のだ。原稿の段階でも、意見を述べ、掲載後も意見を述べたが取り上げられなかった。私は当時朝日新聞版であった為、意見を述べるだけであった。「これは間違いである」と云うものであったが、30年近く過ぎた今でも改められていない。競技中、大事な所では歯を喰いしばっているものと思い込んでいるからである。最近スポーツ歯科などと称して、判ったようなことを云う者がいるが、困ったものである。高校の体育の先生は、ラグビーをやっている、「俺は、スクラム組みぶつかる時、云うのだ、歯を喰いしばれ!」「本当かよっ、よし今度確かめてみる」「歯を喰い縛ってスクラム組んだら、押されまくって、球は全部敵のものだよっ」と言ってやる。「歯を喰いしばった状態で気合が出るかよっ!声が出ると云うことは歯と歯が合ってないからだよっ」その辺で大概の人は納得させられる。最近はトーンが落ちている感があるが、云っていることは同じである。競技の結果(成績)に良い影響をもたらすとか云った感じでである。中には「自分のスポーツ経験が相当なものと勘違いしている者が殆どである」医学部、歯学部での運動部など遊戯の域を脱しておらず、スポーツをやったと云ううちに入らない。競技におけるポイント、真髄にせまる次元のことについて言及する資格など無いのである。ためしてガッテンでテーマとするよう進言したが、国民の間違った認識を改める点については申し分ないテーマだが、生活の上で具体的メリットがないと云うことで却下された。確かにその通りである。しかし歯医者が間違ったことを云ってはいけないのだ。
■歯科衛生PRの上でよく扱うテーマに「6才臼歯」があるが、昔は乳歯列に初めて生える永久歯として位置づけられていたが、近年は前歯の方が先に生える。その事実をまさか歯科医が判っていないとは思えないが、歯科保健指導用パンフレットを作成して得意になっていた公衆衛生担当理事がいた。テーマを「6才臼歯」としたと聞いて、「やったな!」と思った。下顎の第一大臼歯が大人の歯として最初に・・・と書いてあるのである。昔からそう云われているからと書いてしまったのだ。朝日新聞に載った記事に、顎の発育不全問題について某大学教授が「母乳による子育ての少ない為」と述べていた。全くナンセンスな言い分であり、現場について無知であることを露呈する主張であった。何故なら、昭和40年代後半から母乳の勧め積極的に行われており、当時は顎の発育については問題になっていなかった。顎の発育が取り上げられるようになった時期と母乳の利用度とは合致していないのである。むしろ食生活の変容により、発育途上での顎運動不足に起因するとした方が当たっているのである。又、乳幼児の口腔内状態は著しく改善されており、都市部では3歳児までの歯科保健事業は不要となっている。昔同様相変わらず子供のむし歯は多いと思い込んでいる歯医者が少なくない。3歳過ぎて6歳になるまでの間にむし歯が増えると云うことで、保育園に嘱託歯科医の設置が進められたのである。むし歯の本数数えて、グラフを作って掲示板に貼ることでヨシとしているのが現状である。永く勤めて、上にゴマ擂って勲章貰うことしか考えていない学校歯科医会、勲章くれ団体以外の何者でもない。
若い頃、某学校の歯科検診を手伝ったことがある。大変な人数である。そこで、前に並んだ生徒に対して「去年健診を受けて虫歯ありと言われて、治療していない者は手を挙げ!」該当者に対して「右に出よ、解散!」残った生徒を健診して、他は「昨年以上」と云う扱いをすることにより、あっと云う間に終えることが出来た。無駄を省いた訳である。校医さん慌てていた。歯科医が国民に対して間違った思い込みをさせたものに「フッ素の効用」がある。フッ素を塗れば他のことはやらなくて良いと思わせたのである。
■実はお前のことをチャランポランでいい加減な奴と思っていた。それが間違いであることが判った。ホントに申し訳無かった。とT歯科大出身の大先輩が私に言うのである。某日本料理屋で、その人とはたまたま隣りに座った時のことである。挨拶程度の口を利いたことはあったとしても、面と向かって言葉を交わすのは初めてであった。一時期そう思っていただけのことで何も謝ることは無いのに・・・、その人曰く、仮に思っていただけでも、全く評価が違うのだから、やはり直接お詫びしないと気が済まないと云うのである。実に気持ちの良い先輩であった。過去に2期ほど理事を務めたが、「アイツには気を付けろ!」と注意されて来た他の村出の理事は、一緒に仕事しているうちに「聞いていることと実際があまりにも違っていた」と私のことを云う。それもそれなりに能力のある方であった。第一印象も大切だが、それが間違った思い込み、先入観となることもある。私は、第一印象の悪い奴に対しては、チャンスを見つけて確認することにしている。嫌な奴に対しては傍に寄って来ないように、故意に悪く接することにしている。自分がこの野郎と思っていれば、相手もそう思っているものである。若い頃少々勉強した「集団力学」の中で「割り切れないものに人間関係があることを忘れてはいけない」と云う教えがあった。
■断り続けたが、断りきれなくなって引き受けた東京歯科大学同窓会東京地域支部連合会発足時の手伝い手(まさか理事として発表されるとは思ってなかったので)となった時(35歳)からの付き合い(面倒見られる形の)で某先輩と行動を共にし、飲み食いにも付き合っていたことがある。会の為、会員の為をスローガンとしてである。皆本気でその思いを抱いて活動しているのだと思い込んでいた。飲み食いしていれば議論がある。ある時「馬鹿、大人になれ、こうやって役員をしているのは自分の為、青臭いこと言うなっ!」とやられ、以来誘いに乗ったこともない。「中央の情勢は・・・」などと単なる噂話をもっともらしく聞かせている彼に対して、あまりにも事実と違う場合は「そうではない」と訂正する役を演ずることになってしまった。そのうちに、先輩の話に水さす形が嫌になり、顔出すのを控え今では支部から脱会してしまった。何年経っても進歩はない、むしろ悪くなっている。何も先頭に立って事を荒立てることもない。己の使命だなんと粋がることは止めにした。
■なんとかします。大丈夫です。頑張ります。何れも努力目標に過ぎない。そう言ってくれる相手を信用しない訳では無く、己の目標が間違いなく達成させられるかどうかと云うスタンスでいれば、お任せはしない。万が一を想定することが、自分の仕事を大切にすることである。現役時代のことである。夏の合宿を控え、現地に出向き手を打つ。体育館の日程確保、卓球台の確保が最低必須事項である。卓球台は現地調達出来ると云うことで、こちらから送る台数を減らすと云うので、何時も通り送れと口挟み、もめたことがあった。6年、いや一生に一度のチャンスをもっと大事に考えろ!もし台が揃わなかったら、合宿の予定が狂うのだぞ、「大丈夫です。先方と約束していますから」・・・・結局、「頑張ったが、揃えることが出来ませんでした」と云うことになっていた。2日目に市内卓球大会が別館で行われたので、交渉して台の調達が出来、合宿は予定通り行うことが出来た。最善を望み最悪に備えよ。思い込みの形で相手を信用することは危険であり、上手く行かなかった時には相手にも余計なプレッシャーをかけることになる。
■歯の衛生週間事業として、当時有名であった「吉岡たすく氏」を講師にして集会事業を行うべく、頑張り、会場(500名収容)を設け当日を迎えた。集まったのは200名足らずであり、私は貧血を起こした。会長からは、学校歯科医会に協力を求めて子供の動員を図るように勧められていたが、無視した。この講師で、人が集まらない訳がないと思い込んでいた。歯の衛生週間事業は全区民対象の事業であり、学童の動員は趣旨に反すると言う基本的考えは間違っていない。「PR不足」とも言われた。会員250名を擁する歯科医師会である。会員が患者さんの中から2名参加させることは容易である。現に私の患者さん関係で20数名参加した。それも講師の名前を聞いてである。全国歯科医師会の歯の衛生週間事業における集会事業で人が集まらないことは承知していた。人が集まらない原因は会員の認識不足、非協力以外の何者でもない。何万人の人を集める訳ではない。たった500、1000の人も集められないのである。昔は会員を動員させたこともある、不平タラタラであった言う。歯医者が集まって何になると、患者さんの中には興味を示し参加してくれる方が二人ぐらいはいるであろう。頼みをきいてくれる患者さん二人もいないのか・・・と云いたい。地域のオピニオンリーダー的立場にあるなんてお世辞にも云えないのである。日歯広報委員の立場を利用して、日歯事務局の協力を得て、花王石鹸⇒電通⇒本人へのアプローチをして、目立つ贈り物(自腹で桐の下駄等)して、アポイントに成功したのである。ギャラも公的事業として格安にして頂けた。聴衆の少なさをお詫びしたら、「こんなもんですよ、話すには丁度いい人数です」と云ってくれました。それでも再挑戦した。会員の協力が期待出来ないとして、会場を会館にし、100名も来れば盛会となる形にした。講師は日本保育協会の会長「川合月海氏」(胎教の始祖)であった。偶然患者さんとして来たのである。「どこかで見た人」と思い、保険証を見て、当時日歯で主催していた「全国母子歯科保健推進協議会」に出席していた方であった。私の取材部門でもあった。川合氏の講演は圧巻であった。子育てに無縁の人でも話しに引き込まれ、深刻な状態を作るは、笑わせるはで話術の名人であった。残念ながら、子育て教室を立ち上げて間もなく、癌性腹膜炎で「3ヶ月の命」と告知を受け他界してしまいました。診断がおりて、告知を受けて一週間後に、見舞いに行きました。「何て言えば・・・」と悩みつつ。病室に入り、挨拶をするなり「先生、3ヶ月ですって、今中途の仕事がありましたら、私手伝います。」と私は切り出した。「私もそう思っていたのですが、腹に力が入らず、やる気も無くなりました。先生に是非お願いしたいことがあるのです。私の仕事を引き継いで頂けないでしょうか」そんなこと出来る訳がない、手伝いとメインでは大違いである。丁重に断ったが、今思えば、歯医者を辞めても引き受ければ良かった。しかし「やってやれないことはない・・・」と形で受けるには重すぎた。最後の話は「アトピーの原因が統計資料から乳製品にあることが判った。もう少しで摂取時期について、具体的指導が出来る」と云うものであった。腹痛を訴えるので入院を勧めたが、手遅れであった。校内暴力、家庭内暴力、いじめ等の問題で意見が一致する所が多かった。「君は合格だ」と言われたこともあった。川合先生は東工大物理出身(心の力学が研究テーマ)、その後京大哲学科を経て、三重県の某寺の住職をしていたが、園田厚生大臣に見込まれ、研究所を設立し所長を務めることになった。(園田議員が選挙応援で来て、演説の中で保育所の増設を行っていることを自慢した、会場を提供していた川合氏が、箱だけ作っても、子供達の心を磨くことは出来ないと反発し、園田氏を怒らせてしまったのである。が園田氏・・・「奴の云ったことには一理ある」「大衆の面前で俺に恥かかせた責任を取れ!」と川合氏のもとまで使いを出した。)当人「旅芸人、川合月海」お布施の中身でお経を変えたりしません。練馬の保育園の看護婦の勉強会の講師を引き受けて貰った時の謝礼について言ったことです。当初は成人を手掛けていたが、問題の源は・・・と探って行く中に、学童期、幼児期、乳児期とさかのぼり、とうとう腹の中に行ってしまいました。最初から「胎教」を掲げた訳ではないと言っていました。
■大分前のことであるが、日歯の総会を乗っ取られたことがある。しかし紳士的に会は終わった。彼らは日歯に問題ありと思い込んでいただけである。日歯の紳士的対応に拍子抜けしたようでもあった。15年間日歯に出入りしていた私は、びっくりもしなかった。彼らは真面目だ。すぐ判る。何が? 悪の源は都道府県歯科医師会であることを。地区歯科医師会であることを。日歯を責めるのはお門違いであることを。ただ地元で行動起こすことは大変である。まして地区歯科医師会となると行動を共にする者は殆どいない。もし地区で行動を起こしたとする・・・結果は空回りにおわり、つらい目に会うことは目に見えている。閉鎖的で社会音痴の集合体を改善、改革しようなんて思わないことである。最近の日歯政治連盟からの脱退者続出もおかしな現象である。日歯政治連盟は活動方針、内容には疑義はあるが、必要な組織である。その活動からして不要である組織は都道府県政治連盟であり、地区の政治連盟支部である。実のある活動をしている所はごく僅かである。まず地区レベルで脱退するのが筋である。議員と酒飲んで、カラオケし、握手して得意になっている政連役員、ぺこぺこしてお願いしますと云ういじけた姿勢、何が竜チャンだ、馬鹿っ!と思うのである。政治活動の仕方のいろはも判っていないのだ。30年も見て来たが、これからまともになるとは思えない。可能性も見出せない。解散させるか、脱会することである。地区を辞めれば結果的に全部脱退することになるが、日歯には寄付と云う形で参加することは出来る。所謂日歯連事件には日歯政連は無関係であることに皆気付いていない。会員は負担している会費が高額だと思い込んでいる。トラック業界の一ヶ月分の額である。常時活動費が無いと云う財務状態を知らない。参議院議員を出すことが政治連盟の目的であり、選挙以外に活動しようがないと云う現実を知らない。選挙を止めて、政治資金として使う道を考えるべきである。参議院議員を二人も出せば効果あると云う思い込みが進歩を止めている。会長として不適(会員の為にならない)だと降ろした者を業界代表として国会に送り込む考えがなってない。常識的におかしいと誰でも思うことである。
■そんなにいい思いをしているのに、何でセコイことするのだと倍の力で叩かれる。人の世とはそうしたものである。一時(今でもあるが)歯医者の収入が一番だと思われていた。実際は大違い。医科で最も低いのは眼科と言われている。歯科はその眼科の1/2である。昔歯科が袋叩きにあった時、国税の調査が10件(内定60件)あったことがあった。そして一件のみ7000万出たと云う結果に終わった。国税としては大赤字となり、以後歯科は国税の対象とはならないと変な烙印を押された。地区に国税が協力する形の調査程度である。歯医者はいいと思い込んでいるのは一般国民である。その誤った認識を改めるべくPRすべきだと広報委員会で主張したが、軽く一蹴された。患者負担が増すと云う時に患者(国民)が反対運動の先頭に立つべきであるにも拘らず、歯科医師会、医師会が先頭に立つ、国民は自分達の負担増分医師歯科医師の実入りが多くなると思っているのである。
日歯政治連盟が大変な財を蓄えて、裏で使いまくっていると思われている。会員ですらそう思っているのであるから。検察庁やマスコミのそうした思い込みで所謂日歯連事件を作り上げた。裏会計があると決めてかかった。捜索しても何も出ない。イラクの核兵器だと私はブンヤには云ったが、結局見込み捜査の失敗となり、急遽贈収賄を引っ張り出し面子を保ち、あやふやな幕引きとなった。国家試験問題の漏洩事件も同様であった。カスを追っかけて、総本山に至らず幕引きとなった。厚生省番のブンヤは、特別措置法を医師優遇税制と決め込み(そう云う処理をするようにデスクが強要する形すらある)、医師・歯科医師を叩く側にいれば間違いないと云うスタンスである。特別措置法は医師優遇税制では無いと言い切っていた記者は、今まで一人しかいない(N新聞社のM氏)。
気配りにも色々あるぜ
■成り行きで理事職に就いた。第一回理事会にラフな格好(トレーナー)で臨んだ。みなネクタイ姿であった。専務が理事会にはネクタイ着用で来るようにと注意された。実はその時、副会長がノーネクタイでラフな格好をしていた。その人の隣に位置していながら、服装の注意をしたのである。私は「馬鹿!これからの理事会運営を円満にして行くことを考えていないのかっ! 一癖二癖もある人だぞ」今日はそっと耳打ちしておいて、次回私だけラフな格好で出席している所で注意すれば良いのだ。皆の前で副会長職にある人に恥かかせて・・・この先・・・。そこで私は注意を無視してそのままスタイルを押し通した。それであの副会長さんが浮かばれるのであれば・・・・・と云う気持ちだけでも無かったが。恥かかされた副会長さんに「お前の後輩の格好を見ろ」と思わせてあげる為にである。私の姿格好への批判は仕事の内容でツーペイにすれば良いと二年間頑張ったのである。その副会長さん、以後背広ネクタイ姿でおりました。背広、ネクタイと云えば、昔のことであるが、神谷は服装と挨拶の仕方について認識を改めれば大丈夫・・・と云うことで私に、教育係りが就いたことがあった。「お前の挨拶の仕方は何だ、ちゃんと出来ないのか」と注意され、言われてみればそうだなと受け止め、以後気をつけていた、次に「お前、一寸話がある。」と言われて「ピーン」と来た。「今日はネクタイの話ですか」その通りであった。これは大変なことになるとS氏の家に飛んで行った。そして東京都歯科医師会の理事就任のリストから外すように頼んだ。「そう云うお願いに来る人はいまぜんよ。まあ君みたいな者がいてもいいでしょう。判りました。」都歯をクリアすれば日歯へと云うラインだったが、真実会員のためにと云う形で動いてない実情の中で仕事をするのは私には勤まらないと言える。手っ取り早く仕事を進めるには「平」では駄目と云う世界である。蛇足であるが、会の委員、役員になりたくない方へのアドバイスは「私は平では嫌」対処すれば二度と話は来ません。アイツは生意気だとレッテルが貼られ、リストから消えます。
■3歳児歯科健診事業の改と善を行うべく、案を作り、一応理事会に提出した。普通は自分の所管で精一杯であるから異論が出ない。しかし、同じ学校の理事にケチつけられたのである。「三歳児健診指導要領なるものがあり、それに基いてなければならない。思いつきで改善されては困る」と言うのである。その通りであった。しかし、この先輩は「三歳児健診指導要領」を読んだことが無いとすぐ判った。何故なら、私は精読し、作成した案を厚生省の所管に問い合わせ「本来ならそうあるべきなんです。頑張って下さい」と私の案が正しいことを確認していたのである。然しながら、彼は執行部の支えとして会長、専務をリードしていた立場にあった。彼をやっつけてはいけない。今後の理事会運営に支障を来たすことになることはやめっ!と私は引き下がった。後日誰もいない所で彼に「あんたに教えてあげることはあっても教わることは何一つない」ときっぱりと言ってやった。理事会終わった後は飲みに行く。「いろいろ大事な話があるのだから来なくては駄目だ」と云うので最初は行動を共にしていたが、大事な話は聞けなかった。悪口と女の話しか出ない。下らないと思って、以後マージャン屋へ一直線。ひまさえあればマージャンばかりやっている奴が碌に検討もせず思いつきで案を作ったに違いないと思われたようである。又言うことを利かないことへのミセシメだったのかも。
■事前に相談無く事を進めるのは駄目だ、必ず私に相談するように。そうしなければ委員会で身動き出来なくしてやるぞ・・・と脅かされた。「どうぞ、私は委員会開きませんから、委員長権限で開催し建議されてはどうですか、理事会で私が潰しますから。必要があれば委員会に諮問するのであって、今程度の課題では委員会の知恵なぞ要りませんよ」と対応した。理事諸氏は委員会を恐れていたようである。委員長にいじめられたとか・・・色々聞かされているが、私は委員会を怖く思ったことはない。またまる投げ諮問したことも無い。「叩き台」として示した案通りに決まってしまうのである。もうひとつの委員会委員には「思い通りにさせて貰って有難う」と云う気持ちで一杯であった。委員諸氏の希望があった。忘年会は垢抜けた所で設営してほしい。当初は赤坂の料亭で一生に一度の宴会をやるつもりであったが、その時期になるとモッタイナイから・・・と云うことになり、予定変更(赤坂の四川料理で一次会、六本木のプレイボーイクラブで二次会に。移動はバイトを雇って車二台を使って行い、全員自宅まで送り届けた。タクシーが捕まらない時であったのでそう手配しておいたのである。)して対応した。後日会の金を使ったと攻められたが、心意気で身銭をきったことが無い、いつも人の懐で飲み食いしている意地の汚い連中だからこそ、私もそうに違いないと思い込んで「しっぼを掴んだ、しめた」と動いたのである。
■日歯広報委員会で、コラム欄の執筆陣にいた私が、あるコラムで内容の変更を求められた。承知できないので、拒否した。結果としてその原稿は没にされ、他の委員が書いたものが載せられた。さて又委員会がある。当然私を執筆陣から外す方針が示される。私のいる所で、やりづらいことである。私はポジションより魂を選んだ結果であるから、扱い方によっては揉めることになる。そこで「体調悪し」と連絡して欠席してあげた。15年間で欠席したのはこの一回だけである(広報の仕事で出張して出席できなかったことはある)。
その間の事情は事務局諸氏は判っていた。「先生も気を使うねえ」なんて云われた。
私の担当の前号で「執行部を叱咤激励する形の内容」であった。そこでその内容を受ける形で「会員に対してかくあるべき・・・」と書き上げ、そのまま掲載された。所がである。法人代表者会議(全国都道府県会長会議)で、愛知県の某実力者が「この会員を愚弄するコラムを書いた委員は誰だ!」怒って執行部を責め立てたのである。当時の広報担当常務は何とかかわしていた。何も知らない私は会館に顔を出した。仲間が寄って来て「神谷、心配するな、気にするな」と云うのである。「何が?」と聞いて事情が判った。私は大笑いして、「常務私の名前を言ってくれればよいのに。」「そうしたらお前は出て行ってハイ私ですと云ってやり合うつもりだろうっ・・・そんなことされたらもっと大変だ。」「何れ愛知県に出張してやってくるから・・・。」「皆っこいつを愛知に出張させてはならんぞ」・・・。北海道の実力者の言い草に勘弁ならねえと「おい、こんど北海道出張には二人で行こうなっ」「そうしましょっ」と云う謀議を聞かれていたのか、そのチャンスがあったが、電話で委員長が行くことになったからと電話連絡があり、計画が没になったことがある。奴らを行かせてはならぬ・・・と云うことであった。誰が気使ったか知りたくもなかった。
余計な気遣い
■2期にわたり、誰もやりたがらない公衆衛生担当理事を務め、改善改革を進め、後は委員会に残り、仕上げて行く(色々手をつけた以上責任もある)つもりでいた所、後任の理事がわが村の同窓会支部に、耳打ちし、「神谷を外してくれ」と。その要望を受け容れて私を公衆衛生から外す人事をしたのである。「君は格上げで○○委員会に行って貰う」と云うのである。烈火のごとく怒った私は全て蹴って無役となった。担当理事と折り合いが悪いと可哀相だと思ったと言い訳していたが、それこそ要らぬ気遣いだった。しかし、よくよく考えて見ると、公衆衛生をあまりにも格好いい所管にしてしまい、やりたがる奴が出て来てしまったのである。区長とのサシでの話し合い、区議を集めて講義付きで、要望事項を提出する等、そうすべきだと前々から聞いていたことを具体化しただけであったが、能無しの馬鹿に関心もたせる結果となったのである。そう云えば、対外PRを日歯広報でやっていた時、委員の顔写真を載せてあげると云う常務に対して反対したことがあった。「そんなことしたら、委員になりたい、しろと云うことになり対外PRがおかしくなる」と。全国版に写真が載るのである。そんなことしたら対外PR委員会の設置となり、人事で大変なこととなり、結果的に碌な奴しか集まらないことになるのである。暫くして、対外啓蒙委員会が新たに設置され、広報の手を離れた。
■初めて執行部入りした時、会計面で「歯の衛生週間事業の区からの予算」が別途会計に繰り入れられていたことを見つけ、これは公衆衛生で処理するから別にしておけと事務局に指示し、いずれ表に出し、予算書上で処理するとして、いきなりやったのでは疑義が出て揉め事となるかも知れないと考え、先ずは事業を行い、つっつかれないように正規計上の形にすることにした。悪意のない会務執行をしてご苦労願った諸先輩を非難する形にはすべきでないと考えたのである。長年そうされていたのであるが、良くない処理であることは確かである。そのお金で集会事業を起こし、家庭予防歯科シリーズⅠ、Ⅱも作成した。公的助成金の会計処理に重大なミスを長年犯していた訳であるが、是正出来よかったのである。自治体からの助成金の処理方を知らない者が意外と多い。日歯の通産省から受けたIT事業推進助成金の処理は全く恥ずかしいものであった。やった者は当然悪いが、それを看過した関連委員会委員、他の役員も同じ位悪い。委員会委員は同じ顔ぶれのようであるが、よくもオメオメ顔出せたものだとあきれ返ってひっくり返っている。使途不明、間違った会計処理、ズサンな監査による不祥事は意外と多い。
最近の傾向として何処でもそうだが「抑止力」が無くなりつつある。会務執行上でも考えられないミスを平然と行う傾向がある。考えられない医療ミスが増えている下地と何か共通したものがあるように思う昨今である。?
